新設:2019-07-01
更新:2022-11-13
日西墨三国交通発祥之碑(通称:メキシコ記念塔)
撮影:2019-06-13
所在地
千葉県夷隅郡御宿町岩和田702
メキシコ記念塔の裏面に嵌め込まれた案内碑
我等が祖先の心意気を伝えるこの塔は 昭和3年 郷土の英傑 森矗昶 村長浅野重雄等発起人となり 地域各町村民はもとより各界名士の賛同を得 永遠なる国際親交を祈念して 同年10月1日建立された
昭和33年9月 30周年改修
昭和53年9月 50周年改修
「抱擁の像」台座裏面(陸側)に嵌め込まれた案内碑(日本語版) (メキシコ政府)
嵐に遭遇したガレオン船サン・フランシスコ号が 1609年9月30日 この地へ漂着した。岩和田の住民による人道的且つ決死の救助作業によって ドン・ロドリーゴ・デ・ビベーロ・イ・アベルーサ並びに316名が命を救われた。
その史実を介して、メキシコと日本、両国国民の間に友好の絆が結ばれた。
メキシコ政府は 墨日交流400周年に因み この彫刻を御宿町に寄贈する。
2009年9月26日
<注>
スペイン語と日本語とで併記されているが ここでは 日本語版のみを紹介
像台座表面(海側)には 「日本とメキシコ、その友好関係に生涯の一部を捧げた人々のすべてに敬意を表して」として 135名の氏名(日本人はローマ字表記)が記され 最後を「2009年11月21日 SEIKO INOMATA DE GUERRERO」で結んでいる
案内板 (記念公園駐車場から記念塔への通路を登った左側に設置された日本語案内板)
千葉県指定重要史蹟
ドン・ロドリゴ上陸の地
日・西・墨三国交通発祥記念之碑由来記
1609年(慶長14年) スペイン領フィリピン総監ドン・ロドリゴを乗せた帆船サンフランシスコ号は フィリピンからメキシコに向け航海中台風に遭遇し漂流、この岩和田海岸に座礁した。秋9月30日未明のことである。
乗組員373人中56人は溺死、残る317人は岩和田村民により救出された。この時 海女たちは、飢えと寒さと不安にうちふるえる異国の遭難者たちを素肌で暖め蘇生させたと伝えられている。大多喜城主本多忠朝の判断により 遭難者たちは37日間 岩和田大宮寺に滞在、村民の手厚い保護を受けた後、江戸城に至り将軍秀忠に謁し、更に駿府に至り家康に謁し、翌1610年 家康が三浦按針に建造させた新しい舟を与えられ無事メキシコに帰国した。
翌1611年 聘礼使ビスカイーノの来日、そして1613年支倉常長のメキシコ・スペイン・ローマ特派など、一連の史実はすべてこの岩和田村民心意気に発するものである。我等の祖先の美挙を後世に永く伝えるため,また永遠なる国際親交を祈念して、昭和3年10月1日 森矗昶、浅野重雄等発起人となり、この日西墨交通発祥記念之碑が建立された。
ロペス・メキシコ大統領来訪記念碑 メキシコ記念公園入口右手前設置
昭和53年11月1日 国賓として来日されたホセ・ロペス・ポルティーリョ大統領は、この日、日西墨交通発祥の地である、我が御宿町を訪問された。
大統領は、若者たちのかつぐ、みこしに乗り、日の丸の扇を高くかざし、「エルマーノ!」(兄弟よ!)を連呼し、町民の歓呼に応えた。
補 足
メキシコ記念塔が建立されたのは昭和3年(1928)であり、既に90年を経過している。その後、諸氏の尽力により新しい史実が判明しており、その幾つかを例示する。
豊臣秀吉が慶長3年8月18日(西暦1598年9月18日)に死去すると 徳川家康はスペインが保有する次の2つの技術 ①外航可能な船の造船技術 ②金銀アマルガム製錬技術 の導入を図るべく、秀吉没3ヶ月後から交渉を開始した。
1601年にスペイン船が大瀧浦(大多喜浦)に漂着し、乗組員の帰還には三浦按針が家康の命で造った80トン船が使われた。
スペイン船の浦賀初入港は1604年であり、1609年にロドリゴが岩和田海岸に漂着する前年には 家康が派遣した三浦按針がフィリピンのマニラでロドリゴと貿易交渉を行っている。
参考文献Webサイト
メキシコ記念塔(日西墨三国交通発祥之碑) 御宿町役場サイト
江戸初期スペイン船漂着 本サイト「徳川家康ゆかり」内ページ
日西墨比貿易港之碑 (横須賀市東浦賀) 本サイト「徳川家康ゆかり」内ページ
鈴木かほる著『徳川家康のスペイン外交』2010年 新人物往来社刊
鈴木かほる著「スペイン外交と浦賀湊」『郷土神奈川52号』2014年2月 神奈川県立図書館刊―神奈川デジタルアーカイブ
記念公園へ徒歩の道
撮影:2019-06-13
【1】
JR御宿駅から町の中心部を通り抜け、岩和田漁港近くで、かつ船谷トンネル手前の「変則十字路信号」を左に少し下がり、右に進むと右側電柱に標識「メキシコ記念公園周遊コース」[写真#1]があるので、ソコで右折して直進する
【2】
道なりに右に折れ辺りに道標があり、右折すると[写真#2]となり直進、突き当たりに 道標[写真#3]があるので、階段状の山道を登る