新設:2018-07-01
更新:2022-11-13
沿革
撮影:2018-04-10
名 称
蓬左文庫・徳川美術館
所在地
愛知県名古屋市東区徳川町1001 (徳川園内)
案内板 (名古屋市教育委員会案内板)
蓬左(ほうさ)文庫
尾張藩初代藩主徳川義直が、父家康の蔵書「駿河御譲本」約3千点を中心に創設した尾張藩御文庫の蔵書を受け継ぐ文庫である。昭和10年から徳川黎明会によって東京で運営、公開されていたが、昭和25年、名古屋市に譲渡された。日本や中国、朝鮮の優れた古典籍とともに古絵図なども豊富に所蔵し、現在の蔵書数は約11万点に及んでいる。
名古屋市教育委員会
案内板 (名古屋市案内板)
徳川園と徳川美術館
江戸時代のはじめ、この地域一帯は尾張徳川家2代光友卿の「大曽根下屋敷」といわれる広大な別邸であった。光友卿の薨去後、別邸は家老の成瀬・石河・渡辺の3家に下附され、幕末まで使用されたが、明治維新後、再び尾張徳川家の所有となった。
昭和6年、同家19代義親侯は「……私有するは時勢に順応せざるを以て……」と、意を決して別邸建物と庭園のうち、約7千坪(2万3千㎡)を名古屋市に寄附すると共に、相伝の1万数千点に及ぶすべての什宝美術品類・土地・必要資金を拠出して、財団法人「尾張徳川黎明会」を設立。昭和10年、同財団による「徳川美術館」が開館した。一方、寄附を受けた名古屋市は、昭和7年、「徳川園」として公開したが、第2次大戦時に空襲を受け、「表門」を残して焼失した。
開館50周年にあたる昭和60年、「徳川美術館」の大幅増改築事業が地元経済界を中心とした全国規模の募金活動によって推進された。この地に集積されている歴史遺産との融合をはかるべく、平成16年には我が国を代表する近世武家文化の殿堂と、その環境にふさわしい池泉回遊式庭園が完成した。
なお、公園内の南側には、尾張徳川家伝来の書籍類を収蔵し公開する名古屋市蓬左文庫が設けられている。
名古屋市
補足
熱田神宮を蓬莱(ほうらい)宮と称したところから、熱田神宮に向かって左方・北側の名古屋城の辺りにかけての地域を「蓬左」と呼び、名古屋城は別名「蓬左城」と呼ばれたとう。その名古屋城に由来する文庫ゆえに、蓬左文庫と名付けられた。
蓬左文庫には、金沢文庫に由来する蔵書が含まれ、鎌倉で誕生したとされる国重要文化財指定の「河内本源氏物語(尾州家河内本源氏物語)」も含まれているという。
なお、徳川園・徳川美術館・蓬左文庫は一体的に運営されており、十分な時間的余裕をもって訪ねるのが好いと思われる。
参考Webサイトほか
蓬左文庫サイト
名古屋市蓬左文庫 名古屋市博物館サイト
徳川園サイト
蓬左文庫 ウイキペデイア
熱田神宮について 熱田神宮サイト
織田百合子著「源氏物語と鎌倉」